高次脳機能障害の特性
交通事故や脳卒中などで脳の一部が損傷を受け、身体の麻痺などの肢体不自由とは別に、思考・記憶・行為・注意などの脳機能に障害が起こることがあります。この状態を、高次脳機能障害といいます。これらの障害は様々で、一人一人異なっています。また、外見からは分かりにくく、周囲の理解を得ることが難しいことも特徴です。下記のような主な症状をいくつか併せ持っていることも多くあります。
認知障害
- 記憶障害:新しいことを覚えるのに時間がかかる。忘れやすい。
- 遂行機能障害:融通が利かない。手順が決まっていないとうまくできない。
- 注意障害:集中力が続かない。うっかりミスが多い。複数のことを言われると混乱する。
- 病識の欠如:障害があることを理解しない。思い込みが激しく、人の意見を聞かない。
社会的行動障害
- 対人技能拙劣:対人関係がうまくいかない。ニュアンスが伝わりにくく、コミュニケーションがちぐはぐ。
- 感情コントロール低下:気分にむらがあり、些細なことで怒る。
- 意欲・発動性低下:疲れやすい、やる気が前面に出てこない、悲観的になりやすい。
- 固執性:こだわりが強い。
- 欲求コントロール低下:お金を持てば全部使ってしまう。がまんできない。
- 依存性・退行:子供じみた行動をとる。